3×3プロサーキットの切符は誰の手に? Satellite FINALがいよいよ開催

4月にQatarのDohaから始まった3×3シーズンもいよいよ後半戦へ突入。11月のクラブ世界No.1決定戦 FIBA 3×3 World Tour Utsunomiya Finalへ向けて、11大会あるFIBA 3×3 World Tour Mastersはあと5大会、28大会あるFIBA 3×3 Challengerはあと11大会になった。

そんな残された数少ないプロサーキットへの出場権をかけて、8月12日(月・祝)にトレッサ横浜で「3×3 O&M Satellite Yokohama FINAL」が開催される。6月より全国各地で行われたブロック予選を制したチャンピオンと、主催者推薦による12チームが集結。優勝チームには、8月31日~9月1日に韓国で開かれるInje Challengerへの切符が与えらえる。出場チームは以下の通りだ。

優勝候補の最有力候補はUTSUNOMIYA BREX.EXEだ。今季はモンゴルやクロアチア、セルビアで開かれた3度のChallengerへ出場を果たし、「プロサーキット中毒になりそう」と、ハイレベルな戦いに苦労しながらも、TOKYO DIMEと双璧をなすチームへ成長中。国内の公式戦ではここまで実質わずか1敗だ。齊藤洋介、Dušan Popović、Marko Milakovićの3人が展開する3×3はとにかく無駄がなく、劣勢な状況でもディフェンスから攻防のギアを上げて流れを引き戻す力を兼ね備える。7月中旬からは3×3日本代表の小林大祐が合流をして試合経験を重ねており、その強さに磨きがかかる。齊藤は「国内で取れるプロサーキットの出場権はすべて取っていきたい」と常々話している言葉通り、5月のALBORADA CUPで優勝(→Ulaanbaatar Challenger )、6月の3×3.EXE PREMIERでCross Conference Cupを制覇(→10月 Jeddah Masters)と、チーム一丸となって有言実行を継続中。3度目の頂点を目指す。

一方で、その対抗馬を挙げるなら、まずは荒川颯(拓殖大学4年生)とホール百音アレックスの若き才能がチームの推進力となるBEEFMANだ。とくにスラムダンク奨学金でアメリカ留学から帰国したアレックスは、190㎝、95kgという20歳らしからぬフィジカルを有して、3×3で存在感を放ちつつある。埼玉の強豪・昌平高校で本格的にバスケを始めて、キャリアはまだ5年程度であり、「バスケIQは全然なので、勉強ですね」と本人も粗削りな面は認めるところだが、相手マークを引きずりながらドライブを決め、2ポイントシュートの確率も上々だ。さらに身体能力を生かした豪快なダンクもあり、「完全に流れが変わるプレーをしてくれる(荒川)」と、チームの期待は大きい。世界への道をこじ開ける切り札となれるか楽しみだ。

ホール百音アレックス(写真左)

そしてもう一つは、Team Tsukuba。7月のHuaian Challengerでは日本勢で今季3チーム目のプロサーキットへ参戦。しかし同大会では Qualifying Drawで2戦2敗に終わり、本戦に進むことができなかった。いずれも終盤まで3、4点差まで食らいついたものの、海外チームの壁に跳ね返された。だが昨年、TEAM TOKYOの一員として海外転戦を経験した野呂竜比人は「チームとしての第一歩」と振り返る。特にセルビアのBelgradeとの対戦では、「(ディフェンスが)めちゃくちゃキツかった。本当に(プレッシャーが)来るよと(チームメイト)伝えていて、ビビったわけでは無いですけど、経験が僕しかなかった中で、上手く伝えられなった。でも彼らも体験して“ヤバイ、やらなきゃ”と、気がついた大会となって、これからのTsukubaとして成長につながったと思います」と、敗戦は大きな糧になったようだ。ただ、彼らはこれまで優勝がかかった重要な試合でライバルたちに屈している過去がある。FINALで今度こそシルバーコレクターを返上して、2度目のChallenger行きを決める。

もちろん、彼ら3チーム以外にも大会制覇を狙うチームは目白押しだ。NatureMadeはかつてトヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)で5シーズンタッグを組んだ渡邉拓馬と宮田諭のベテラン2人が、3×3で再び共闘。TRYHOOP OKAYAMAは3×3日本代表候補の菊池亨を加えて、4年連続のプロサーキット進出をターゲットにする。TACHIKAWA DICEは新たに合流した昨季のPREMIERでファイナルMVPのHassan Stephensが、チームの浮沈を握りそうだ。すでにInje Challenger への出場が決まっているTOKYO DIMEとともに世界と戦う日本代表クラブの座はどこが手にするのか、真夏のビックゲームに刮目せよ。

写真提供 @miya_basket

>>>3×3 O&M Satellite Gamesの詳細はこちら(FIBA 3×3 PLANET)