3×3世界ランキングから見えることvol.3-1

 世界ランキングを分析しながらあれこれ考えるシリーズ、最終回は「日本」にフォーカスします。国内シーンと代表の2回に分けます。まず今回は国内のことから。

撮影:筆者

3×3の変化と成長

 さて、2014年に3人制プロリーグである3×3.EXE PREMIERが開幕して以来、東京オリンピックの正式種目化も追い風になって、この競技は毎年、変化と成長を重ねてきました。参戦する選手のレベルは上がり、すそ野も広がり、地域差はあるでしょうが、会場に駆けつけるファン・ブースターも右肩上がりに増えています。体感レベルにはなりますけど、ありがたいことに、2014年から取材機会を頂いて身としては、めちゃくちゃ強く感じています。

PREMIERをきっかけに

 その背景には各種要因ありますが、インパクトのあるところで言うと、やはりPREMIERのリーグ拡張。2014シーズンの7チームから、2019年には72チーム(日本人主体のチームは国内36チーム+アジアカンファレンス8チームの44チーム)の体制になりました。多くの地域で3×3を広める役割を果たし、試合数が増えて、参戦する選手たちの広い受け皿となったことで、Bリーグの1部でローテーションに入るような選手までやってきました。常に成長痛も伴い続けているように見えますが、いまの姿がある原動力と言っていいでしょう。またPREMIERのシーズン後に開催される3×3.EXE TOURNAMENTがあることで、年間を通して大会もセットされました。

 さらにJBA(日本バスケットボール協会)が主催するツアー大会、JAPAN TOURも2018年から始動。プレーオフやFINALを含めて、2019シーズンは最高峰のEXTREMEが10大会(前シーズンより+1大会)、続くOPENが15大会(前シーズンより+3大会)とスケールアップ(※)。女子もPREMIERが2018年よりリーグ戦を立ち上げ、JAPAN TOURではOPENカテゴリーがそれを担い、2017年より3x3に転向した矢野良子さんによる国内最大規模の女子3×3ツアー大会、3W(TRIPLE DOUBLE)も2018-2019シーズンは13大会が行われました(※)。

 以上のように、3×3はここ数年で飛躍的に広がりました(特に男子)。 しかし、vol.2で触れたように、男子の世界ランキングにはこの変化がダイレクトに現れていないこともまた事実です。今年1月のポイントシステム改定の影響もあるでしょうし、日本同様に他国も規模が大きくなっていることもあるでしょう。でもそれだけか?

成果とは裏腹に
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