3人制バスケのトップリーグ・3×3 PREMIER.EXEが開幕してもうすぐ1ヶ月がたつ。FIBA（国際バスケットボール連盟）が全世界統一のルールを設けて、オリンピックの正式種目採用を目指しているが、3人制バスケといえば3on3という名称で長く親しまれてきた。3on3は3×3と異なり、大会や団体ごとに独自のレギュレーションがあり、個性を出している。

　2014年8月9日（土）に横浜・みなとみらい地区のクイーンズスクエア横浜内にあるクイーンズパークにて3on3の1DAYトーナメントHOOPERSが開催された。台風接近による悪天候により開催も危ぶまれたが、特設コートには夏休みを楽しむ多くの観客が集まった。近くの階段やコンコースからも視線が送られており、ボーラーのプレーひとつひとつに歓声やため息、笑いがあがり、にぎやかな空間ができあがっていた。

　HOOPERSはボーラーが個人単位でリーグに参戦。大会ごとに即席のチームを組み、頂点を目指していく。公式ホームページでは「“最強の一人”を決める、個人戦のバスケットボールリーグ」と銘打ってあり、レギュレーションも実にユニークである。

・1試合5分×3ラウンド
・得点：ダンク＝4P 、3P、2P、フリースロー＝1P
・15点差がついたらKO決着
・タイムアウト/ファールアウト無し
・イエローカード(3枚)、レッドカード(1枚)で退場
・交代無し

　今回は12名がエントリー（内1名が怪我により欠場）。これを1チーム3人に割り振り、優勝を争った。そしてゲームをより楽しく、わかりやすくする存在としてMC MAMUSHIがコートに降臨。真剣勝負の場でありながら、ときに笑いが生まれるのは、このMCとボーラーのコミュニケーションにほかならないだろう。もっとも私はこの日のHOOPERSが初観戦。MC MAMUSHIのトークも初めてだったが、このコート上での化学反応はとても新鮮であり、印象的だった。ハマリそうである。

■ゲーム1 ・ユニフォーム赤：ATSUSHI、TAIKI、仮エース ・ユニフォーム青：ダークロ、TICKTACK、CHRIS …第3ラウンドで青チームが引き離して31対38で赤チームを降す。白熱の試合の中、MC MAMUSHIが仮エースのもみあげが鋭くカッティングしていることをイジリ倒して、会場が爆笑に包まれたのが印象的（笑）

■ゲーム2 ・ユニフォーム赤：MZ、SOGEN、仮エース（ぬまの怪我のため出場） ・ユニフォーム白：IPPEI、M21、YOHEI …第2ラウンド終盤に白チーム･YOHEIがブザービーダーを決めて同点に追いつく。第3ラウンドは序盤から赤チーム･SOGENと白チーム･YOHEIがバチバチと1対1を仕掛けて激しい攻防をみせる。最終スコア、43対42で白チームが勝ち上がる。

■FINAL ・ユニフォーム青：ダークロ、TICKTACK、CHRIS ・ユニフォーム白：IPPEI、M21、YOHEI …第3ラウンド終盤まで白チームがリードを奪うも、残り20秒をきって、青チームが3点差まで猛追。しかしラストワンプレーでTICKTACKが3Pを放つもゴールならずゲームセット。白チームが守りきって、38対35で今回の覇者となった。青チームの粘りも見事であったが、この日はるばる福岡から来たYOHEIが3Pにドライブにキレキレのプレーで観客を魅了した。

　天気が崩れることなく、全3ゲームを終えたHOOPERS。2011年に立ち上がったリーグではあるが、このようなスタイルのリーグとしては2005年のLEGENDの設立にさかのぼる。2010年に解散はしてしまったが、ZEPP TOKYOでファイナルを行うなど熱いリーグとなり、現在のPREMIER.EXEで戦う選手を輩出している。5人制のbjリーグの開幕が2005年だったことを考えると、3人制リーグの系譜も同じ月日をたどって、来年で10年目を迎える。バスケは日本でマイナーだと言われて久しいが、その中でも着実に歴史を作っているのではないだろうか。コートと観客が一体となって作り出す、この楽しくて、面白いバスケットのネクストゲームが楽しみでしかたない。