ALLDAYベスト4の旬のチームがやってきた
10月25日・26日に埼玉県越谷市にある越谷イオンレイクタウンで開催された3×3 TOURNAMENT.EXE City11 SAITAMA。2014年シーズンのTOURNAMENT.EXEも終盤戦に入ったこの大会に、今、ストリートシーンで注目を集めているチームが参戦した。
その名は「CRAYON」。今年の春と秋に代々木公園で開かれた5人制の日本最大級オープントーナメントALLDAYに2大会連続でベスト4に進出したチームである。春の大会では、1回戦で「UNDERDOG」を破ると、準々決勝では「F’SQUAD」にも金星を挙げた。そしてCity11 SAITAMAの1週間前に行われた秋の大会では、「SUNDAY CREW」を撃破。要所でCRAYON・谷口がSUNDAY CREW・安藤を相手にスティールやドライブを決めている姿が印象的であった。準決勝ではPREMIER.EXEで活躍したJonathan Maxwellなど外国籍選手を擁する「Team Yokosuka」に先行されながらも一時は逆転する試合を見せた。最終的に6点差で敗れて決勝進出は逃したが、コートに大きなインパクトを残した。
今大会も前週のALLDAYと同様に、谷口、染葉、フェソル、セオンの4人が出場。平均年齢は21歳であり、25日の予選リーグを勝ち上がり、翌日の決勝トーナメントに進出した8チームの中では、最年少チームである。
26日のトーナメントでは、初戦でCity4 SAITAMAの準優勝チーム「DaFam」と対戦。残り1秒でセオンが放った2Pシュートが決まり、10-9の劇的勝利を収めた。続く準決勝ではSOMECITYのレギュラーチームに復帰した「TOKYO BEAST」とマッチアップ。序盤は先行するも、ファウルがかさんで逆転を許す。終盤にはセオンが外角で追い上げるも届かなかった。しかし能力の高いセオンの1対1や、谷口のドライブ、コートの3人がボールをシェアして確率の高いシュートを狙うなど、最後までTOKYO BEASTを苦しめた。
City11 SAITAMAは決勝で「Prost&Co.」を破ったTOKYO BEASTの優勝で幕を閉じた。試合後に優勝チームのインサイドの要・安室や大会MVPに輝いた菊池に印象に残った対戦相手はどこであるかを聞いてみると、やはりCRAYONを挙げた。安室はその印象について、「ALLDAYで2大会連続ベスト4に入ったのは決してフロック(まぐれ)では無いですよね。良いバスケットをするし、無理をしない。(ディフェンスが)寄ったら(パスを)さばくし、フリーになったら打つ。そのくり返しだけど、それをちゃんとやれて、若いですし、良いチームだと思います」。と語ってくれた。そしてマッチアップしたセオンに対しても「傍から見たときの印象と、マッチアップした印象が全然違いました。カットインはそんなに早くないと思っていましたが、足が長い分だけストライドが大きく、ディフェンスについたときのギャップを埋めるのが大変でした」とその強さを感じていた。
ただTOURNAMENT.EXEは初参戦であったためか、ボールタッチの不慣れなところや、ファウルが多いことが見受けられた。菊池も準決勝CRAYON戦を振り返って、「相手より笛に対するアジャストが早めにできたこと。その差が出たと思います」。と話している。若さだけでなく、経験もやはり勝ち上がるには必要なことであろう。
東京五輪の正式種目採用を目指して、今後さらなる盛り上がりが期待される3×3.EXE。今のストリートシーンを牽引している強豪チームを脅かすCRAYONがさらに成長して、3×3.EXEに戻ってきて欲しい。またCRAYONに続く、若いチームの登場がさらにシーンの活性化につながっていきそうだ。