UTSUNOMIYA BREXが3×3世界大会へ挑む
BREXが プロサーキットへ
日本の3×3をけん引するTOKYO DIMEがプロサーキットで奮闘を続ける姿を追うように、いよいよUTSUNOMIYA BREXもその戦いに挑む。プロサーキットとは、3×3のクラブ世界No.1決定戦であるFIBA 3×3 World Tour Finalを頂点に、世界11都市で開催されるMasters、その予選にあたるChallengerといったグローバルで展開される一連の大会のこと。彼らは去る5月12日に茨城県つくば市で開催されたALBORADA CUPで優勝を飾り、本日からモンゴルで行われる Ulaanbaatar Challenger の出場を決めた。
3人で勝ち取ったモンゴルへの切符
振り返れば、Challengerの切符獲得は、全4試合を交代無しの3人( 齊藤洋介 、眞庭城聖、小林大祐 )で戦い抜いた末のことだった。BリーガーをそろえたSEKAIE、KALIDE OKAYAMAやTEAM TSUKUBAといった3×3を熟知したメンツとは激しいゲームの連続だったが、齊藤洋介は「 間違いなく、他のチームより自信を持っています 」という“チームケミストリー”を ゲームを重ねるごとに深めて、個々が持ち味を発揮。体力の消耗も激しく、試合後は全員がコートに崩れ落ちるほどだったが、「こんなにスゴいことは無いです。本当にチームメイトを誇りに思います」と手にした結果に充実感をにじませた。
昨年の経験を糧に磨き上げる「チーム」で戦う姿
もっとも本当の勝負はここから。今回のChallengerはスタートラインである。BREXは過去2度、地元開催のMasters(2016、2018)に出場したが、いずれも満足の行く結果は残せていない。とくに昨年はMastersの本戦をかけた予選で2戦全敗に終わっている。当時、 齊藤 は「予想はしていましたが、やはり相手のディフェンスがハード。体格差もあるので、素直に自分たちのやりたいプレーができなかった。パスを1つ通すにもちょっと体を当てられて(正確に)できない。1対1になってしまうことを肌で感じました」と、大きな壁に跳ね返された。
しかし今年は齊藤を中心に、3x3世界ランク1位のセルビアから2人の選手を春先より迎えて、3x3を例年以上に積んでいる。去年とは違い、「今年こそ世界へ羽ばたく」という強い意志を感じさせる。昨夏に続き、Marko Milakovićはチームに加わり、新たにDušan Popovićがやってきた。彼は昨年、Mastersに3度、Challengerに10度も出場するなど、Belgrade(セルビア)の一員として海外転戦を数多く経験。193cmと決してサイズは大きくないものの、フィジカルが強く、味方とのコンビネーションから着実に得点を取ってくる。Markoを含めて、両選手ともに“チームファースト”にプレーする姿は印象的であり、「2人が集中したとき、3×3に対する能力は本当スゴイものがある」と、齊藤も言うほどだ。さらに眞庭と4人で出場した3×3.EXE PREMIERの開幕戦でも優勝。「最後の最後まで個人プレーに走らず、チームでプレーできたことが最大の勝因(齊藤)」と、ブレない強さはきっとモンゴルでも見せてくれるだろう。
世界で戦うBREX戦士
目前に迫るUlaanbaatar Challengerでは、まず予選でGeelong(オーストラリア)と、Ljubljana(スロベニア)と対戦する。特にLjubljanaは最新の世界ランク7位の強豪。その要である41歳、Jasmin Hercegovacは2016年のWorld Tour FinalでMVPを獲得したほどの大ベテランだ。白星を計算できる試合はひとつもなく、まずは3チーム中、上位2位以内に入って、翌日の決勝トーナメントへ進みたい。ひとつ一つの結果を出した先に、宇都宮で開かれる今年11月の3×3クラブ世界No.1決定戦・World Tour Finalの道が開かれていく。
最後にChallengerの切符獲得に貢献した小林大祐にも触れておきたい。既報の通り、彼は3×3日本代表メンバーとして、チェコ遠征と6月18日から開幕するFIBA 3×3 World CUPに向かった。5月のFIBA 3×3 Asia Cupでも代表としてプレーしており、いま急速に3×3のキャリアを重ねている。そのはじめとなったALBORA CUPでは試合後、「3人でやるのでタフな試合になるとは思っていましたが、こうやってみんなでひとつの目標である“モンゴル”に行く、YOSKさんもずっと行きたいと言っていたので、YOSKさんの嬉しい顔を見られて良かったです」と話していた。戦う場所は違えど、彼もBREXの一員として、世界で結果を残すべくコートに立つ。