3x3W杯が開幕へ 日本が戦う世界の強豪たち

FIBA 3×3 WORLD CUPが6月18日から23日まで、オランダのアムステルダムで開かれる。男女を通じて最大の注目は、男子・セルビア代表が通算5度目の世界一、さらには大会4連覇を成し遂げられるか。ロスターには世界No.1チームのNOVI SADからDusan Bulut(写真左)、Marko Savic(写真右)、Dejan Majstorovict(写真左から2人目)と、同2位のLIMANよりStefan Stojacic(写真右から2人目)が名を連ねた。予選では台頭するアメリカ、オランダと同組に入っており、「世界最強」のタイトル防衛に向けた戦いは大会序盤から熱を帯びる。

Photo by FIBA

立ちはだかる世界の強豪

日本は3大会ぶりに男女代表がそろって出場する。その顔ぶれは既報の通り、男子は落合知也 (越谷アルファーズ/TOKYO DIME.EXE)と、小松昌弘 (TOKYO DIME.EXE)の3×3国内ランキング1位・2位のコンビに、小林大祐 (茨城ロボッツ/UTSUNOMIYA BREX.EXE)と保岡龍斗(秋田ノーザンハピネッツ/SEKAIE.EXE)のBリーガーたち。女子は伊集南(デンソー アイリス)、 栗林未和 (富士通 レッドウェーブ) 、 宮下希保 (アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス) 、 馬瓜ステファニー (トヨタ自動車 アンテロープス) のWリーガー4人組。まずは 5チーム中、上位2位以内に入って史上初の「予選突破」を目指したい。いままでにないメンツたちにそれ以上の期待も膨らむが、 その前には世界の強豪たちが立ちはだかる 。

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男子代表(世界8位)は予選でラトビア(同6位)、ブラジル(同13位)、ポーランド(同16位)、オーストラリア(同32位)と対戦する。特に1戦目で対戦するラトビアは 優勝候補の一角 と言っていいだろう。RIGAとしてクラブ世界No.1を目指すツアー大会、FIBA 3×3 WORLD TOUR MASTERSを転戦するメンバーをそろえ、シーズンランキングではNOVI SADを抑えて現在1位を誇るチーム。豊富な運動量でアップテンポな展開に持ち込んでドライブや2ポイントを織り交ぜてどんどん畳みかけてくる。ディフェンスの裏を取ってバックドアからダンクも叩き込んでくるなど、ハイライトシーンには決まって登場するほどだ。

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注目選手は200㎝のKārlis Pauls Lasmanis 。 世界のTOP10に入るプレイヤーであり、4月のDOHA MASTERSでは得点王とダンク王をW受賞。4人の中では最年少の25歳ながら、ラトビアはのエースだ。日本代表は彼を筆頭とした超難敵に競り合って手ごたえをつかむのか、ボコられるのか。大会の流れを作るうえで最も大事なゲームを初戦から迎える。落合や小松が5月のFIBA 3×3 CHALLENGERでRIGAに大敗した経験を最大限に生かすときが目の前にある。

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2戦目はブラジル。 昨年のW杯からメンバーを一新して、同国を代表する Campinas とSão Paulo DC という2クラブの混成チームだ。ともに今季はMASTERSの出場経験こそ無いが、その予選大会であるCHALLENGERには出場しており、 Campinasは最新のチームランキングで世界30位に食い込む。ロスター全員が195㎝オーバーとサイズがあり、試合経験の豊富なFelipe Oscar de Camargo(写真中央)とJonatas Julio de Melloが軸になりそうだ。

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3戦目は5月のFIBA 3×3 ASIA CUPの準々決勝で日本に圧勝し、大会を制したアジアNo.1の オーストラリアだ。準決勝では中国、決勝ではモンゴルと、3×3では格上たちを力でねじ伏せる勝ちっぷり。 同大会のBEST3に選ばれた Thomas Stephen Joshua Wignall Wright(写真左)はチームの司令官のような存在だ。いまだ世界ランクこそ36位だが、これほどまで順位の当てにならないチームはなく、W杯での躍進なるか、注目したい。

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予選ラストは、ポーランドと“再び”対戦する。というのも、日本は彼らと昨年も予選の最終ゲームで対戦しており、16-20で敗れはしたが終盤の猛追で逆転勝ちの可能性すら予感させた。そんな我々の希望をぶち壊してくれたのが、Michael Rayshann Hicks(写真左)。ポストアップから仕掛けや、体の強さを生かしたドライブ、勝負強い2ポイントシュートと、 同国をけん引する35歳の大黒柱だ。彼を含めて昨年のW杯ベスト4メンバー3名を擁する相手とは間違いなく厳しい戦いになりそうだ。

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難所は初戦と3戦目

一方で女子代表(世界4位)は予選でフランス(同6位)、スイス(同16位)、オーストラリア(同27位)、アンゴラ(同33位)と対戦。難所は初戦のフランスと3戦目のオーストラリアと見られる。前者とは、FIBAが新設した女子の国際大会である3×3 WOMEN’S SERIESのCHENGDU(CHINA)大会で18-15と勝利を収めているが、日本が出場していないTURIN(ITALY)大会で彼女たちは全勝優勝を決めて、W杯へ弾みをつけた。さらにASIA CUPを制したオーストラリアは強敵だ。平均身長は日本を7㎝上回る185㎝を誇り、 CHENGDU大会も負けなしで優勝を飾るなど、3×3でメキメキと力をつけてきた。男子同様に、W杯での飛躍が期待されるチームである。

2020年に向けた自信を得られるか

2020年の東京オリンピックに向けて、やはり日本代表に求めたいのは、今回こそ過去を塗替える結果。女子はWリーガーをメインにすえた強化で徐々に国際大会で結果を出しており、W杯ではそれがより一層の自信に繋がればこの上ないだろう。男子はクラブレベルではTOKYO DIMEやUTSUNOMIYA BREXがプロサーキットに挑み、チームケミストリーを醸成させて爪痕を残しつつあり、代表でも時間は限られているが、4人の結束力を限りなく高めて勝負したい。そして落合や小松が海外の強豪たちと一番の差を感じる「戦う気持ち」をどれだけコートで体現できるか。「ヨーロッパの選手はすごいタフにやるし、球際やオフボールのディナイのプレッシャーが全然違う(落合) 」という戦術やスキル以前のところで互角以上にファイトする姿があって、ようやく強豪国と渡り合える。劣勢に回る時間帯が多いかもしれないが、全員が土壇場まで持てるを力を出し尽くし、ラストショットを打ち切った先に、歴史を作る新たな1ページが刻まれる。

【日程 (大会公式/外部サイト)

■男子代表
6/19
00:55 vs.Latvia
03:05 vs.Brazil

6/21
02:05 vs.Australia
04:05 vs.Poland

■女子代表
6/20
00:55 vs.France
04:05 vs.Switzerland

6/21
23:25 vs.Australia

6/22
03:05 vs.Andorra

FIBA 3×3 WORLD CUP(大会公式/外部サイト)