DIMEとBREXが挑戦する3x3プロサーキット

プロサーキットとは、3×3のクラブ世界No.1決定戦「FIBA 3×3 World Tour Masters」や、その下部大会となる「FIBA 3×3 Challenger」といった一連の国際大会のこと。大会グレードは10段階のうちMASTERSは最上位の「BLACK」、Challengerはそれに次ぐ「RED」が設定されており、3×3世界最高峰の戦いが繰り広げられている。

Photo by FIBA

現在、日本からはTOKYO DIME(世界20位)とUTSUNOMIYA BREX (世界29位) がその舞台で結果を出すべく挑戦中だ。海外の強豪チームとの対戦は非常に厳しい試合になるが、国内では体感できないフィジカルやスピード、インテンシティーの高いゲームを経験することは、自分たちの3×3をレベルアップする格好の機会であり、代表強化にも寄与することだ。さらに成績を残すことで、得られるFIBAポイントも高く、ランキング上昇への追い風にもなる。それ故にチームは、プロサーキットへ直結する予選会を勝ち抜いて出場権を手にしたり、 Challengerの主催者へ申請を行い、チームランキングなどに応じて割り当てられる出場枠の獲得を目指すなど、手段を尽くして最高峰行きの切符を取りにいく。

TOKYO DIMEは今季(7/15まで)5大会へ出場を果たし、うち4度で予選リーグを突破した。とくに Penang Challenger では鬼門の準々決勝を突破して、準決勝へ初めて進出。世界No.1のNOVI SAD(セルビア)に敗れはしたが、昨年はTEAM TOKYOとして出場したが大逆転負けをくらった悔しい街で、新たな歴史を作ってくれた。さらにシーズン序盤こそLIMAN(セルビア)やGAGARIN(ロシア)に惨敗したが、先週のYichang Challengerでは彼らと勝負できる時間帯や食い下がるシーンも増えてきた。来る Huaina Challenger(7/20-21)やJBAのJAPAN TOURで獲得が濃厚な Jeddah Masters(10月)に向けて、ますます戦い方が洗練されていくことを期待したい。

今季のプロサーキットの戦績

大会名勝ち上がりチーム勝敗得点失点対戦相手
4月Wuxi Challenger予選1TokyoDime2016Beijing(CHN)
予選2TokyoDime1222Liman(SRB)
準々決勝TokyoDime1318Edmonton(CAN)
4月Doha Masters予選1TokyoDime1913Doha(QAT)
予選2TokyoDime722Novi Sad(SRB)
準々決勝TokyoDime1521Piran(SLO)
5月Penang Challenger予選1TokyoDime2117São Paulo DC(BRA)
予選2TokyoDime922Gagarin(RUS)
準々決勝TokyoDime1613Beijing(CHN)
準決勝TokyoDime1421Novi Sad(SRB)
7月Poitiers Challenger予選1TokyoDime1516PodgoricaDangerous(MNE)
予選2TokyoDime1517MonacoRiviera(FRA)
7月Yichang Challenger予選1TokyoDime2117Inje(CHN)
予選2TokyoDime1421Gagarin(RUS)
準々決勝TokyoDime1419Liman(SRB)
大会名勝ち上がりチーム勝敗得点失点対戦相手
6月Ulaanbaatar Challenger予選1Utsunomiya2120GeelongSuperCats(AUS)
予選2Utsunomiya1621Ljubljana(SLO)
準々決勝Utsunomiya1321Korolev(RUS)
6月Lipik Challenger予選1Utsunomiya2119SplitStatist(CRO)
予選2Utsunomiya1621Novi Sad(SRB)
準々決勝Utsunomiya1320VentspilsGhetto(LAT)
7月Belgrade Challenger予選1Utsunomiya1221Novi Sad(SRB)
予選2Utsunomiya1422Belgrade(SRB)

UTSUNOMIYA BREX は今季 (7/15まで) 3度の出場で2度の予選突破を決めた。とくにクロアチアで戦った Lipik Challenger では同国代表を兼ねるチームを僅差で破り、 Ulaanbaatar Challenger ではスロベニアの強豪・ Ljubljanaと好ゲームを演じた。春先から齊藤洋介が、Dušan PopovićとMarko Milakovićの若きセルビアンプレイヤーたち一緒に作ってきたチームに、Bリーグのオフで合流した眞庭城聖(茨城ロボッツ)が加わったBREXはポテンシャルにあふれている。先週のBelgrade Challengerからは眞庭に代わって3×3日本代表の小林大祐 (茨城ロボッツ) がジョイン。ヨーロッパ屈指のハイレベルな大会で2戦とも完敗したが、これを糧にしてすでに出場を決めている Jeddah Masters(10月) に向けてさらに経験を積んでいきたい。

Photo by FIBA

今後、国内でプロサーキットの切符がかかっている大会は3つ。シーズン真っ最中の3×3.EXE PREMIER(総合優勝チームが10月のNanjing Masters)、Japan Tour Openカテゴリー(Round.1-Round.10の1位が9月のSeoul Challenger)、そして最も迫っているのが3×3 O&M SATELLITEGAMES。現在、全国でブロック予選が展開され、8月12日のFINALの覇者にはInje Challenger への道が開かれる。今秋には栃木県宇都宮市でMastersを制したTOP12が終結して、シーズンチャンピオを争うFIBA 3×3 World Tour Finalが控えており、目の前のゲームはすべて5年ぶりの日本開催となったビックゲームがゴールとなる。自力でそこまで到達する日本チームは現れるのか、注目したい。

Photo by FIBA

>>>3×3の国内外大会スケジュール