Bリーグ36チーム、ユニフォームサプライヤーの動向

今年6月、渋谷にあるスポーツ専門店「GALLERY 2」がリニューアルオープン。大改装を行って、バスケットボールカテゴリーを1階へ移した。この店と言えば、長年フットボールやフットサルカテゴリーがストアの顔になっていたが、それが置き換わったことはビジネスで期待されている証であると感じさせた。また大型スポーツ店でも同カテゴリーが賑わいを見せ、予算比で2桁超えの売上という声も聞かれる。男子代表のW杯出場や女子代表のアジアカップ4連覇、NBAでは16年ぶりのJAPAN GAMES、そして八村塁を筆頭に日本人選手の奮闘。成長を続けるBリーグも4シーズン目を迎えるなど、いま「BASKETBALL」に多くの注目が注がれる。

今回、B1とB2の36チームのユニフォームサプライヤーをまとめた。期待高まるバスケットボール市場で、プロチームへのサポートはブランディングや広告塔の意味合いを持ち、製品の信頼性をアピールできる手段でもある。各社の動向を見てみたい。

図1

図1は、サプライヤー別のサポートチーム数TOP8(2チーム以上へ供給)である。今季も最多を誇るはUNDER ARMOURであった。B1で5チーム、B2で1チームの合計6チームへサプライする。中身を見てみると、観客動員数でリーグ1位の千葉をはじめ、ファンやブースターを多く抱えるチームが目立つ。本拠地別では東北圏の秋田、関東圏の千葉と栃木、関西圏の大阪、九州・沖縄の熊本や琉球と、エリアごとの代表的なチームばかりであり、バランスの取れた展開となっていることも見逃せない。それに続くはIN THE PAINT。4チームにサプライしており、そのうち3チームは彼らの本社が神戸ということもあってか、関西から山陰地方のチームである。3位は2015年からスタートした新興のEGOZARUで3社に提供。特に福岡と越谷は今季からのサポートであり、さらにはB3のトライフープ岡山も含めれば4社と、いま勢いのあるブランドと言っていいだろう。

図2

図2はBリーグ開幕から4シーズンのB1サプライヤーの変遷である。ご覧の通り、昨季から今季にかけてその交代はわずかに1件。富山がbjリーグ時代から長年にわたりサポートを受けていたIN THE PAINTから、Fanaticsを採用した。彼らはB2の仙台へ昨季から供給をする外資系メーカーである。アメリカに本社があり、世界8か国に拠点を持って、アメリカ4大スポーツ(NBA、MLB、NFL、NHL)やチェルシーやマンチェスターユナイテッドら欧州ビッククラブ、西武ライオンズや福岡ソフトバンクホークスなどNPB球団とパートナーシップを締結。企画や製造、ECやリアルストア運営・販売までを一手に引き受ける。ただ同社はパ・リーグのオフィシャルサプライヤーを務めた「マジェスティック」を取り扱っていたマジェスティックジャパンを母体としており、国内で全く新参者というわけではない。今後、国内のバスケットボールカテゴリーでどのような動きを見せるのか注目したい。一方で、3季以上同じサプライヤーと契約しているチームは16チームにのぼる。近年は通常のホーム、アウェイユニフォームだけでなく、サードユニフォームや限定ユニフォームなどを製作するケースも今まで以上に盛んであり、長期的なタックを組んでいるメリットをいかしながら、選手やファン、ブースターにとって楽しみな打ち出しを引き続き期待したい。

図3

図3はB2の状況だ。今季は新たに5チームが新規サプライヤーを採用した。先にも触れたEGOZARUは関東圏の越谷、九州圏の福岡と契約。本社が岡山にあり、地元のB3クラブであるトライフープ岡山ともタッグを組んだ。三遠を含めたBリーグクラブへの深耕でシェア拡大を目指す姿勢を感じさせる。

ユニフォームサプライヤーにとって、プロクラブへは投資の意味合いが強い。それを足掛かりに地域の中高生らアンダーカテゴリーの選手やチームのどれだけ購入してもらえるか。またエリアにあるスポーツ専門店や量販店でどれだけ製品展開を増やして売場を獲得できるか。投資に見合った回収も重要になっている。成長を続けるBリーグにように、それを支える各社の成長も伴えば、バスケットボールの産業全体が大きくなっていくだろう。

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