BREXが3×3国内予選3連覇でプロサーキットへ

「国内で取れるプロサーキットの出場権はすべて取っていきたい」――UTSUNOMIYA BREX.EXEの齊藤洋介がシーズン当初に宣言したことは、決して大袈裟ではなかった。8月12日(月・祝)にトレッサ横浜で開催された「3×3 O&M Satellite Yokohama FINAL」で、BREXは決勝でTACHIKAWA DICEを21-13で破って全勝優勝を飾り、8月31日~9月1日に韓国で開かれるInje Challengerへの出場権を獲得。5月のALBORADA CUP(→Ulaanbaatar Challenger )、6月の3×3.EXE PREMIER Cross Conference Cup(→10月 Jeddah Masters)に続いて有言実行となる国内予選3連覇を達成した。

BREXにとってSatellite FINALは4月のT3 League参戦から数えて実に公式戦21大会目。ここ4カ月間、毎週のように国内外を転戦してきたチームだけあって、その強さは際立っていた。全4試合を通して序盤に先行される場面こそあったが、劣勢に追い込まれた展開はなく、中盤にかけてギアチェンジをして一気に畳みかけて試合を決めた。さらに大会に向けてのシミュレーションも行っていたと明かし、「DICEが最終的な相手になると思って臨んでいたので、昨日の夜から彼らの映像を見ていました」と、先日のALBORADA CUPで勝利を収めていた相手に対してもなお、チーム内で万全なスカウティングを行ったことを明かした。

そして世界大会に続く国内ビックゲームはこれで無敗だ。その勝ちっぷりについて、齊藤は「チームでしっかり目標を見みすえて、チームでプレーできているから国内で勝てている」と、4人のブレのない結束力と共通理解を要因に挙げる。

振り返れば、春先の始動から齊藤、Dušan Popović、Marko Milakovićの3人を軸に、5月から7月まで眞庭城聖(茨城ロボッツ)が加わって、FIBA 3×3 Challengerへ2度、3×3.EXE PREMIERなどに参戦。シーズン前半戦の流れを作った。そして眞庭に代わって、7月下旬より今年度の3×3日本代表である小林大祐(茨城ロボッツ)がその一員になると、試合を重ねるごとに連携を深めた。「ALBORADA CUP(8/4)から大祐とだんだん良いプレーができるようになってきた。今日も安定した試合、うーん、いや“そこそこ”安定した試合はできている。やっぱり大祐とプレーすることによって、自分たちのチームの自信につながってきています」と、今大会を優勝で締めくくったことで、齊藤はまたひとつ手ごたえを得た様子だった。

しかし彼らが目指すところは、海外の強豪がひしめくプロサーキットでどれだけ結果を残せるか。11月に地元の宇都宮である3×3クラブ世界No.1決定戦のFIBA 3×3 World Tour Finalが最大のターゲットだ。それ故に優勝できたとは言え「そこそこ安定した」という表現を使っており、あくまでもこの日は通過点。「やっぱり3×3特有の試合間隔が空いて、本当は良く無いのですが、ゲームの入りがけっこう悪いことがある。また最近はシーズンの疲れもあります。そう言った意味で、入りが悪くて、途中で(相手を)追い越して逆転する展開から、自分たちの試合展開にゲームの最初からできないといけない。だから、まだまだ伸びしろがありますし、現段階でそういったプレーができていることは、ひとつ強みだと思います(齊藤)」と、自信はありつつも、世界最高峰から逆算すれば、まだまだ成長していく必要が大いにある。

BREXは8月に2つのプロサーキットが控える。今週末、3×3.EXE PREMIERのRound.7を経て、まずはLausanne Masters(8/23-24)に向かう。Challengerを超える大会グレードが最上位の舞台だ。前回、セルビアのBelgrade Challengerでは完敗しただけに、それに匹敵するハイレベルな大会とは言え、進化した姿を期待したいところだ。「本当に欲張りなことは言わずに、1試合勝ちたい。まずは、もうそれだけ!それだけを目指したい」と、齊藤も必勝を誓う。

そして翌週はいよいよInje Challengerだ。同大会には、すでにTOKYO DIMEの出場も決まっており、国内の両雄が世界へ挑む。DIMEの落合知也はHuaian Challengerで過去最高の3位になった帰国後、「日本チームが一緒に出てくれれば刺激になる。日本のレベルも上がりますし、もっと出てきて欲しいですね」と、切磋琢磨する仲間同士が同じ舞台に立つことのメリットを語っていた。BREXとDIMEの2強が海外で高めあう相乗効果はどこまで発揮されるのか。3x3のスタンダードであるプロサーキットで結果にこだわり続けてこそ、この競技者として価値が高まり、飛躍の幅も広がっていく。8人の活躍が楽しみで仕方がない。

写真提供 © miya_basket

>>>3×3 O&M Satellite Gamesの詳細はこちら(FIBA 3×3 PLANET)

>>>今後の3×3大会日程