日本の3×3新時代を切り開く Jeddah Masters
【Review】
2019シーズン最後の世界最高峰の戦い「FIBA 3×3 World Tour Jeddah Masters」が10月18日、19日にサウジアラビアのジェッダで開催された。日本からはJapan TourのRound.1からRound.5で総合一位のTOKYO DIME(TOKYO)と、3×3.EXE PREMIER のCross Conference Cupを制したUTSUNOMIYA BREX(UTSUNOMIYA )が出場。TOKYOは3チーム総当たりの Qualifying Draw(QD/予備予選) を突破して Main Draw(MD/本戦予選) に駒を進めるも、スロベニアのPiranと地元のJeddahに敗れて総合13位でフィニッシュ。一方、UTSUNOMIYAはMDを1勝1敗で突破して、決勝トーナメントへ進出すると、準々決勝でリトアニアのŠakiaiと今季5度目の対戦でついに撃破。続く準決勝では大会を制したラトビアのRigaにあと一歩及ばなかったが、初のMastersベスト4、総合4位という歴史を打ち立てた。そして気になるMastersの年間ランキングは総合15位… TOP 12チーム入りを果たせば、地元開催のFIBA 3×3 World Tour Utsunomiya Finalへつながっていたが、勝ち点であと「11」足りずに手が届かなった。しかしこれは世界との差であると同時に、日本勢がようやく夢舞台に立てる可能性が生まれた証でもある。もちろん、ここで終わったがゆえにUTSUNOMIYAにとっては心残りな想いもあるだろうし、TOKYOにとっては目の前でライバルが4強を決めたことは嬉しくもあり、先を越された悔しい思いもあるだろう。だが、間違いなくJeddahでの戦いは日本の3×3新時代を切り開く一歩になった。そう思える2日間だった。
【結果】 Semi-Finals Utsunomiya 16 – 20 Riga
Masters初の決勝進出ならず。立ち上がりこそ4-1と先行するが、強度の高い試合が続いて疲労の跡が見られ、シュートが決まらない。相手もボールが手につかずミスが目立って、ファウルも重ねるが、そこを突くことができずに、徐々に点差を広げられる。終盤に6点近いビハインドを背負い、小林の連続2ポイントシュートで最後の反撃を見せるが、タイムアップ。それでも世界最高峰の舞台で史上最高位というシーズンベストの結果を見せてくれた。
- 得点者(手元集計)
- 齊藤洋介 0pts
- 小林大祐 8pts
- Marko Milaković 0pts
- Dušan Popović 8pts
【結果】 Quarter-Finals Utsunomiya 15 – 12 Šakiai
今季5度目の対戦でついにリトアニアの強豪を撃破した。序盤からボールを動かし、アタックを織り交ぜながら、小林の2ポイントシュートや Milaković と Popović の連携から1点を取り切って上背のあるSakiaiに対抗。相手の体力を削りながら、守っては体を寄せ続けて、一進一退の攻防へ持ち込む。残り1分12秒でミスから12-12とされるが、 Milaković がすぐさま勝ち越し弾となる2ポイントシュートを決めてリードを奪い返して、初のMastersベスト4へ飛び込んだ。
- 得点者(手元集計)
- 齊藤洋介 0pts
- 小林大祐 7pts
- Marko Milaković 5pts
- Dušan Popović 3pts
【結果】 MD GAME2 Utsunomiya 14 – 11 Cheon An
【戦評】
GAME1から一転、ボールを大きく動かして、マークをずらしながら小林の2ポイントシュートや齊藤のドライブが決まってリードを奪う。守っても相手のビックマンに外角のシュートが無いこともあってか、積極的なWチームを仕掛けてインサイドアタックをブロック。残り30秒を切って1点差に迫られたが、1点を確実に奪って逃げきった。そしてNanjing Mastersに続く、決勝トーナメント進出を手繰り寄せた。次戦はリトアニアの強豪・ ŠakiaiGulbelėと今季5度目の対戦に望む。
- 得点者(手元集計)
- 齊藤洋介 3pts
- 小林大祐 5pts
- Marko Milaković 3pts
- Dušan Popović 3pts
【結果】 MD GAME1 Utsunomiya 10 – 22 Liman
【戦評】
出だしから相手の激しいプレッシャーにさらされて、攻撃を組み立てることができず、パスは乱れ、タフショットに追い込まれる。守っては体を当てられてペイントエリアで得点を許し、残り6分15秒で迎えた最初のTVタイムアウトまでに2-10と大量失点を喫して勝負あり。MD突破のためには、次戦のCheon Anは是が非でも勝利が必要。ENERSKIN.EXEのSeung Jun Leeら高さのある相手に持ち味が蘇るか。
- 得点者(手元集計)
- 齊藤洋介 1pts
- 小林大祐 4pts
- Marko Milaković 3pts
- Dušan Popović 2pts
【結果】 MD GAME2 Tokyo 17 – 21 Jeddah
【戦評】
序盤から点の入れ合いとなり、ランキング上位の相手に対して残り5分を切って13-13と接戦に持ち込む。しかし中盤以降、セカンドチャンスを立て続けに与えてしまって失速。ゲームポイントを先に握られながらも、落合が2本のフリースローを決めて食い下がったが、あと一歩及ばなかった。これでTokyoのプロサーキットは全日程が終了。34戦13勝21敗という戦績を残し、過去最大の世界挑戦を終える。
- 得点者(手元集計)
3 鈴木慶太 2pts
4 落合知也 7pts
6 小松昌弘 1pts
7 Daniel Bailey 7pts
【結果】 MD GAME1 Tokyo 15 – 22 Piran
【戦評】
立ち上がり、4-4と互角に持ち込んだが、ミスから追う展開へ。落合が2本の2ポイントシュートを沈めるが攻撃のリズムがなく、守備では外角のマークが寄せ切れず長距離砲を許し、セカンドチャンスも与えるなど苦しい状況となる。攻撃で期待のかかるBaileyは相手に警戒されて簡単に打たせてはもらえず、終盤に連続得点を挙げたが及ばなかった。次戦は地元・JeddahとMD突破をかけて一騎打ちとなる。
- 得点者(手元集計)
3 鈴木慶太 3pts
4 落合知也 7pts
6 小松昌弘 1pts
7 Daniel Bailey 4pts
【結果】 QD GAME2 Tokyo 19 – 7 JingAn
【戦評】
立ち上がりリードを許すが、小松がゴール下へ飛び込んで3-3の同点に追いつき、落合の3連続2ポイントシュートで一気に引き離す。守ってはBaileyが相手のドライブをブロックショットで阻み、全員が足を動かして相手のミスを誘うなど、リズムをガッチリとつかんで、2勝目をマーク。はじめてQD突破を決めて、MDではスロベニアの強豪・Piranと、地元のJeddahと対戦する。
- 得点者(手元集計)
- 3 鈴木慶太 4pts
- 4 落合知也 10pts
- 6 小松昌弘 3pts
- 7 Daniel Bailey 2pts
【結果】 QD GAME1 Tokyo 19 – 14 North Jakarta
【戦評】
序盤からDaniel Baileyを中心に得点をあげて、残り5分32秒で10-1と大きくリード。相手のディフェンスは緩く、DIMEが主導権を握ってこのままぶっちぎるかと思われたが、中盤にややミスが目立ち、残り1分13秒の19-10からKOを狙った2ポイントシュートはことごとくリングに嫌われた。ただ点差を詰められてタイムアップとなったが、QD突破へ前進した。
- 得点者(手元集計)
- 3 鈴木慶太 2pts
- 4 落合知也 3pts
- 6 小松昌弘 5pts
- 7 Daniel Bailey 9pts
【アーカイブ】FIBA3x3公式(外部サイト)
【QF】 Utsunomiya vs.Šakiai
【SF】 Utsunomiya vs.Riga
【QD】Tokyo vs.North Jakarta
【QD】Tokyo vs.JingAn
【MD】Utsunomiya vs.Liman
【MD】Tokyo vs.Piran
【MD】Utsunomiya vs.Liman
【MD】Tokyo vs.Jeddah