リーグを越えたゲーム―東京オーシャンズ.EXE対東京サンレーヴス―

 NBLとbjリーグの統合問題に揺れる日本のバスケットボール。両リーグで話合いが少しずつ行われている中、今秋は現場レベルでその先駆けとしてプレシーズンマッチの開催が多数予定されている。昨年もNBL・リンク栃木ブレックスとbjリーグ・京都ハンナリーズの試合が行われるなど動きはあったが、今年はそれ以上に多くの試合が組まれている。これらのことは統合に向けた大きな一歩であり、ファンとしても、今まで見たことのないチーム同士の対戦だけに、どんな戦いになるのか楽しみが尽きないことだろう。

 さて、このようなリーグの垣根を越えたゲームは5人制に限ったことではない。7月26日(土)にUBCJ(University Basketball Connection Japan)という学生団体が主催する屋外のバスケフェスにてbjリーグ所属の東京サンレーヴスと、3人制バスケの国内最高峰リーグ・3×3 PREMIER.EXEに参戦中の東京オーシャンズ.EXEの試合が行われた。エキシビジジョンマッチではあったが、bjリーグとPREMIER.EXEの初めてのゲームである。気温が35℃近くになる厳しい暑さということもあり、コートサイドに集まった観客は多くなかったが、なかなか見られない対決だけに熱い視線が注がれた。

撮影:筆者

この試合、サンレーヴスからは昨季のリーグ戦MIPの井手、チームを支えた金井、トライアウトを経て新加入した大森の3選手が出場。チームの大黒柱である井上もコートに姿を現したが怪我からのリハビリ中ということもあり、ベンチで監督業を務めていた。対する東京オーシャンズ.EXEはMaxwell、海老原、津川の3人がスタート。安室、谷、臼井もベンチ入りした(公式ルールではベンチ入りは4人だが、エキシビジョンマッチのため、6人全員がベンチ入り)。

撮影:筆者

 ゲームは序盤からオーシャンズ.EXEのペース。ボールをシェアしながら、外角から海老原が2Pシュートを決めて終始リードを奪う。守備でも1対1で強さを見せてサンレーヴスを苦しめる。初めての3×3ということもあり、サンレーヴスは個々の仕掛けだけの攻撃に留まり流れをなかなか呼び込めない。それでも終盤、オーシャンズ.EXEのシュートが落ち始めると、サンレーヴス・井手が外角から勝負強くシュートを決めて見せ場を作る。しかし追い上げも及ばず、オーシャンズ.EXEが12-9で逃げ切って、3×3のプロチームとして力を示した。

撮影:筆者

 今回のリーグの垣根を越えたマッチアップの機会を大学生たちが作り、それに両チームの選手、関係者が賛同していることは非常に良い取り組みだと思う。あまりの暑さで観戦は見送ったが、この試合のあとには大学バスケ界の有名選手が集まったオールスターチームや5月に代々木で行われたオープントーナメントALL DAYを制したPRODIGYの出場ゲームが予定されていた。なかなか明るいニュースが流れてこない今のバスケ界において、今回のような画期的な試合が今後も増えていって欲しい。日本でバスケがメジャーになるには、長年の懸案事項の解決が最優先ではあるが、こういう新しい動きがどんどん出てくることが、その追い風になるだろう。