B.LEAGUE 元年をサポートするサプライヤーたち

 ついにBリーグが開幕した。9月22日(木・祝)に代々木第一体育館で開催されたアルバルク東京vs琉球ゴールデンキングスのオープニングゲームを皮切りに、60試合のレギュラーシーズンに突入。NBLとbjリーグが統合され、真の日本一を目指す戦いがはじまった。

 そして今季は各チームのユニフォームも昨季と違い、多くのチームでサプライヤーの交代や新規サプライヤーの登場が目立った。リーグが生まれ変わり、メディアへの露出やファンへの注目度も格段にアップしたことで、238億規模(※)と言われている国内のバスケットボール用品市場は、さらに拡大することが期待される。各社、このタイミングでBリーグ1部のクラブのサポートをすることで、ブランド認知を高めて、トップリーグのチームをサプライできる力(=商品力や信頼感)を示すことを狙っているだろう。これは、ミニバスや中学校、高校などを対象としたチームビジネスへの展開や、小売店での売場確保という側面にもつながってくる。まさにバスケ界にやってきた久しぶりのビジネスチャンスだ。

 今回、B1所属の18チームの昨季と今季のサプライヤーの変遷を取りまとめた。18チーム中、7チームでサプライヤーの交代があった。

 新規メーカーとして注目は、アルバルク東京をサプライする「adidas」だ。現在、NBAのオフィシャルサプライヤーを務めるグローバルブランドが、日本のトップリーグに参入をした。これまで国内では3人制バスケットボールである3×3.EXEをサポートしてきたが、5人制では目立った露出はなかった。もちろんジェームズ・ハーデンに代表されるように多数のNBAプレイヤーと契約をしてシューズのシグネーチャーモデルを発売しているが、やはりシューズの着用率では言えば「NIKE」が断トツだろう。その存在感は薄い。むしろサッカー日本代表としての知名度が国内では圧倒的に高いだろう。  去年のアルバルクのイメージを一新する黒と赤のトラディショナルなデザインのユニフォーム。また開幕戦の入場時は白いフード付きのパーカーの着せ込みをしていた。adidasが今後、コート内外でどのような取り組みをするのか楽しみだ。

 今季、B1でサプライチームを最も多く手掛けるのは「UNDER ARMOUR(以下UA)」だ。昨季の3チームから秋田と千葉を加えて、5チームまで増やしている。2チームとも旧リーグでは屈指の観客動員を誇るチームだけに、既存の琉球や栃木を加えれば、レプリカユニフォームやその関連ウェアでそれなりの販売数が見込めるのではないだろうか。UAはご存じのとおりNBAのスーパースターであるステフィン・カリーと契約をしており、彼の活躍とともに存在感は年々強まってきている印象だ。世界を代表するバスケアイコンとも言うべき選手を背景に、国内トップリーグで勢力を広げるUAの動向はこれからも見逃せない。

 UAに続き、「SPALDING」と「ASICS」が3チームをサポートする。SPALDINGは新規で横浜ビー・コルセアーズ、京都ハンナリーズを獲得し、ASICSは新たに仙台89ersのサプライヤーとなった。特にSPALDINGは昨シーズンからチームビジネスに本格的に参入し、今季はさらに存在感を増したように感じる。NBAでは公式球として長年に渡って採用されており、日本では誰もが知るメーカーだけに、その知名度とB1チームとの契約拡大をきっかけに、今後マーケットでの動きが注目される。

 上図が昨季と今季のメーカー別の構成比だ(数値は小数点以下、切り上げ)。UAが昨季の22%から、今季は28%まで拡大してシェアで首位におどり出た。2番手にはシェア17%で「SPALDING」と「ASICS」となっている。一方で昨シーズンまで首位だったMIZUNOは契約先が3チームから1チームと大きく減って6%までに落ち込んだ。またバスケ専業の「BULL FIGHT」やフットサルブランドから参入してきた「GAViC」、学校制服で有名なKANKOはチームを失った。「CONVERSE」はシーホス三河を、「IN THE PAINT」は滋賀レイクスターズと富山グラウジーズを引き続きサポートする。「ON THE COURT」は1チーム減となるが大阪エヴェッサを、「HOOP STAR」は福井にある自社工場のお隣、新潟アルビレックスBBと新規契約を果たした。    リーグが変貌と遂げ、その変化はサプライヤーの状況でも見てとれる。そして、Bリーグの成功とともに市場がさらに大きくなることを願いたい。各社、バスケでしっかりとメリットを感じることができれば、攻めの提案もできるだろうし、バスケブランドのガリバー「NIKE」のようなプレイヤーも新たに手をあげてくれるかもしれない。  開幕してここまでBリーグ1部、2部は2節が終了して、観客動員数のアップやメディアの露出拡大、動画配信の好調といったように。最高のスタートを切った。この良い流れを絶やさず、さらに魅力あるプロリーグになっていくことを楽しみにしたい。

※参照 スポーツ用品カテゴリー別市場動向 – 矢野経済研究所

1件のピンバック

コメントは受け付けていません。