東京五輪で正式種目・3×3の2018シーズンをプレイバック

2020年の東京オリピックで正式種目となった3人制バスケットボール・3×3の2018シーズンは印象的な出来事が目白押しでした。思い返せば、「あれ、まだ今年だっけ?」ということも。来る2019シーズンを前に、国内外を振り返って、これだけは!という話題を5つピックアップです。

Photo by FIBA

■32連勝でNOVI SADが世界No.1へ

終わってみれば、彼らが3×3シーンで1年間、常に主役でした。世界ランク1位のNOVI SAD(セルビア)がクラブ世界一を決めるFIBA 3×3 WORLD TOUR で32連勝を飾り、3度目のワールドチャンピオンに輝きました。ツアー大会・FIBA 3×3 WORLD TOUR MASTERSでは9大会中、5大会を制覇。最終決定戦となるFINAL(11月)でも台頭するRIGA(ラトビア)を決勝で退けるなど、 “絶対王者”であることを強く印象づけました。MASTERSの下部大会であるFIBA 3×3 CHALLENGERで勝ちきれなかった姿はなんだったのか・・・ 来秋、栃木県宇都宮市で開催となるFINAL(2019年11月)でBack to Backなるか注目デス。

Photo by FIBA

■W杯3連覇を達成したセルビア代表

メンバーは変われど強さは変わらず。ここでもほぼNOVI SADです。セルビア代表を務める彼らがFIBA 3×3 WORLD CUP(6月)で3連覇を達成しました。ただ少し違うのは、同国代表が過去2大会、全員がNOVI SADの4人でしたが、今大会は激しい守備に定評のあるMarko Zderoが怪我により欠場。代わって世界ランク2位・LIMANのStefan Stojačićがロスターに入ったことです。3×3は同じメンツでゲームを数多くこなすことが勝利への鉄則で、選手変更がどう影響するのか気になりましたが、7戦全勝での優勝。そんな心配は無駄でした(笑)なお、女子はイタリア代表が初のタイトルを獲得。2019年6月に開かれるオランダ大会が待ち遠しいです。

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■TEAM TOKYO激動の1年

落合知也、鈴木慶太、小松昌弘、野呂竜比人の4人なくして、今季の日本を振り返ることはできません。3月に落合が加わった新生“TEAM TOKYO”は、前例のない9度におよぶ海外遠征へ。日本代表としてFIBA 3×3 ASIA CUPでの銅メダル獲得もあれば、CHALLENGERではクロアチアで惨敗し、ブカレストで浮上の兆しを見せて、FIBA 3×3 ASIA QUEST(10月)でついにMASTERSの切符を獲得。ただ、その一番大事な大会では、QUALIFYING DRAWでシーズンワーストの大逆転負け・・・ 激動の1年でしたが、自力を確実につけ、結果を残し続けることで、彼らは生き残り、存在価値を証明してきました。来季はより競争が激化しますが、パイオニアたちはそれを勝ち抜くべくタフな進化を見せるでしょう。

Photo by 3×3.EXE

■女子カテゴリーの隆盛

競技環境が改善して、盛り上がりを見せ始めた1年でした。3×3.EXE PREMIERは6チームよるリーグ戦をスタートさせ、ブカレストや宮崎の国際大会へ選手を送り出すきっかけになりました。さらに5人制から3人制へ転向した矢野良子によって国内最大級の女子のリーグ戦・3W(TRIPLE DOUBLE)が今秋より開幕。東京五輪の出場権を獲得するための国別ランキング上位4枠入りへ、FIBAポイントを国内で挙げていく機会を作るべく、先駆者が力を注ぎます。一方で、JBA(日本バスケットボール協会)はアジア競技大会(8月)やFIBA 3×3 U-23 WORLD CUP(10月)に5人制日本代表の若手選手を中心に選抜チームを送り込んで、メダル獲得に成功。今後、国内リーグの取り組みと、代表強化の動きがシンクロすれば、女子3×3の成長はさらに加速するでしょう。

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■東京オリピックへの道が示される

待ってました、この一報を。FIBA(国際バスケットボール連盟)が発表した内容によれば、男女各8チームの出場国のうち、4か国は最短で2019年11月2日に決まるとのこと。その前日の時点で、国別ランキングで上位4ヵ国に名を連ねれば、自動的に出場権が付与されます。最新の順位(12月29日)で、男子はその圏内となる3位、女子は圏外の8位の状況です。とはいえ、例年11月~3月は順位に変動を与えるFIBAポイントがより多く獲得できるWORLD CUPやWORLD TOURといった格付けの高い大会は無く、オンシーズンとなる来春からが本格的な勝負になるでしょう。ただ、このランキングは、その国の上位100選手が集計対象。3×3.EXE TOURNAMENTなどに出場して、ゲーム勘やスキルを磨きつつ、ポイントを稼ぐことが、2020年への希望へ繋がりマス。行くぜ、2020 TOKYO。

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